ボランティアグループ「さくら」
荒川河川敷で毎月第1日曜日の午後、昼食を食べながら野宿者と歌を歌ったり、話しあったりしているボランティア
グループがある。
足立野宿者支援の会「さくら」(会長貴島健二)だ。
活動を開始したのは2003年で今年で14年続いている。
キリスト教団体の給食活動には説教が付き物だが、
ここには主催者の説教はない。
むしろ参加した野宿者が自分の考えや気持ちを話すように
求められる。
ホームレスになると社会的なつながりが断たれてしまい勝ちだ。
そのつながりを皆の前で自分の考えや気持ちを表現することを
通じてその失われたつながりを少しずつ育てようという狙いだ。
荒川河川敷の青テント
「さくら」は一人のナースが始めた野宿者訪問活動の中から生まれた。
当時、東京足立病院(足立区保木間)に勤務する
ナース佐藤真子(まこ)は通勤の電車が荒川鉄橋を
通過する時に河川敷に多くの青テントがあることに
気が付いていた。
佐藤はアルコール専門病棟で働いていた。彼女が接する
患者の中にも路上生活をしていて倒れ、病院に担ぎ込まれた
患者が少なからず存在した。
病院の中でアル中患者が来るのを待っているだけで
いいのか、佐藤は毎日、鉄橋を渡るたびに自問自答を繰り返した。
あなたも同じようにしなさい
佐藤はキリストを信じていた。イエスは強盗に襲われて半死半生で道端に倒れていた男を
介抱したサマリア人のたとえ話をした後で「あなたも出て行って
同じようにしなさい」と教えていなかったか?
佐藤が考えたのは病院でいわば出来上がったアル中患者が
やって来るのを待っているだけではダメだ。
テント生活をしている人々のところへこちらから出かけて
行こうと考えた。佐藤はナースだから野宿者に対する医療相談、
特にアル中の予防、回復を活動の中心にすえた。
テント巡回を開始
佐藤はシスター勝谷久子(日本援助修道会) と二人で河川敷のテント巡回を開始した。
ナースとして佐藤はこれまで暴れる患者、死に際の
患者など通常の人間が体験しないいわば人間の
裏面に数多く接して来た。
そんな佐藤でも高い草の生い茂る河川敷に最初に
分け入るのには勇気がいった。
四ツ谷おにぎり仲間
この活動のモデルになったのは聖イグナチオ教会(麹町)の信徒グループ「四ツ谷おにぎり仲間」だ。
この会はおむすびを作って路上生活者に配って歩いていた。
佐藤らもおむすびを持って河川敷を歩き始めた。
野宿者の集会を開くようになると、佐藤は箱に入ったトマトを
持ってきて配っていたが、 カレーを作るようになった。
レトルトではなく、カレー粉から全部自分で作った。
貴島会長もそのカレーを食べた一人で「あのカレーはうまかったね」
と今でもなつかしがっている。
ナース佐藤の急死
しかしナース佐藤は頑張り過ぎたのが災いしたのか、わずか数年の活動で急死(2002年8月)した。
後を引き継いだのはシスター勝谷、
シスター中村訓子(のりこ)たちだ。
シスター中村訓子 Sr.Nakamura Norikoは べリス・メルセス宣教修道女会に
所属している。中村は修道院を出て、仲間のシスターたちとアパートに
住みながら 山谷の日雇い労働者を相手に1985年以来 支援活動(ほしのいえ)
を続けていた。
専門家の協力
医療専門家も協力してくれた。東京足立病院のドクター佐藤(アルコール依存症)
東京武蔵野病院 ドクター花田(音楽療法)
現在の主なメンバー
現在は足立区によって認定されたボランティアグループだ。常時活動しているボランティアは会長の他に高澤(顧問)、
けら(事務局)、山本(会計)、水上(役所手続き)、
友澤(ブログ)が中心だ。
--続く
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