野宿者支援の会さくら文集(6)

人がバラバラになっている今、集まるということ

2017年9月3日（日曜日）荒川放水路虹の広場

さくらは2001年10月に設立されました。野宿者を対象に炊き出し、医療相談（アル中など）が主な活動でした。しかし現在炊き出しに参加する人々のうち現役の野宿者は少数になり、ほとんどは野宿生活を切り上げてアパート住まいをしています。 私たちの周囲を見回すと、孤立して生きている人は野宿者に限りません。これからのさくらの活動は野宿者に限定することなく、人と人とのつながりを取り戻すことを目標にしたいと願って具体的な方法を模索中です。

働く

ぼくは日本橋のマンション（13階建て、地下一階、１４１戸、築１３年）で働いています。毎日午前5時半に家を出て勤務先に向かいます。押上駅で都営浅草線に乗り換えると12分で日本橋駅です。日本橋はどこに行くにも便利です。現場から東京駅まで６分です。

マンション清掃の仕事を始めたのは去年で、現場は南千住でした。この会社はひどかったです。交通費を払おうしないのです。交渉しましたが、ダメで、1年で辞めました。

それから職安で探しましたが、決まるまで3か月くらいかかりました。今度は1年間の経験があったので面接も問題なくパスしました。元請けは最大手で待遇も以前のようなおかしなことはありません。

部屋は２５平米で家賃１３万円。僕は寿司職人見習いの時に徹底的に仕込まれたので掃除は完璧でないと気が済みません。やり過ぎだと言われたことはあっても、これまで苦情を受けたことはありません。

  都心はどこでも建築ラッシュです。地下鉄も虎ノ門に新駅を作ると意気込んでいます。しかし僕の見るところ、都心はバブルがはじける直前です。銀座の地価は２６年前のバブルを上回りました。この地価は投資利回りを度外視した異常なものです。

２０２０年を待たずに経済が行き詰まる恐れがあります。そうなると僕たちのような貧乏人はひとたまりもありません。資本は唯一、健康と気力です。気力と言えば「ほしのいえ」のシスター中村は２６年間南千住で野宿者を助ける活動を続けています。信仰の力はすごいものです。

仕事をしないでブラブラしているのに比べると毎日電車に乗って仕事に行くのは健康にもいいです。乗客の観察も楽しいです。 貴島（会長）

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